2015年3月27日金曜日

ちょっち社会的

東側文化

wordpressについて、話を聞く機会があった。

世界のCMSの六割がwordpressで設計されており、今や人気どころか標準になっているという。

しかし自由に追加できる機能、プラグインのうち日本人によってつくられたものは、海外のものに比べて圧倒的に少ない。

(当然だろう。アメリカ生まれのwordpressなんだから)

そう思ったが、違った。

ドイツで作られたプラグインが圧倒的に多いという。 しかも旧東ドイツと呼ばれるところで、生活している人たちが設計者に多いというのだ。

どういうことか。

共産主義圏といえば、80年代にこちらに流れてきた報道といえば、ピロシキを求めて雪の積もる中で、震えている行列であったり、天安門に集まった学生たちを殺害する戦車に連想がつながるはずだ。

貧乏で、気位ばかり高く、官僚は賄賂を受け取るが、庶民をいじめぬく。その挙句に暴動した国民を粛清するだけの独裁国家。

兵士は第二次大戦中の兵器しか支給されず、半ばカルトのように共産主義を信奉しているが、人権の意識がまるでなく、臆病な薄らバカ。

そんなイメージでしかなかった。

ところが現代では、事情が少し違う。

国家のため、もっという、社会・文化のために、自分のスキルを提供し、問題解決や問題提起をはかっていきたい。そう考えて、wordpressのプラグインを設計するというのだ。

およそ我々西側とは違う文化である。個人がスキルを高め、それによって、経済的な成功をする。19世紀からの近代資本主義の伝統は我々のほうが引き継いでいる。

 ところが。

ベンチャーという焼き栗


PHPのカンファレンスに参加することがあった。

日本人が登壇するなかで、数人アメリカ人も登壇することがあった。その一つに座ってみて、驚いた。

彼は登壇するなり、翻訳者を介して呼びかけてきた。

「皆さんはPHPを使って、どんなビジネスモデルを考えてるんですか?」

会場は水を打ったような沈黙。ほぉら、きた。沈黙と曖昧な笑みを浮かべる日本人と、肩をすくめるアメリカ人の図である。

プログラマー、デザイナーといった人たちはいるだろう。下請け、孫請けで仕事をしている人たちである。決して、ガレージでピザを食いながら、昼夜コードを書いて騒いでいるような、ベンチャーの卵などは、ただの一人もいないのだ。

一張羅をきて、ちょっと滑り感を否めないジョークを交えたプレゼンを、スムーズに話し、公的機関からの融資を自慢する、ちょっと強気か傲慢なのか、その両方なのかが分からないようなベンチャーの社長など、一人もいない。

そうなのだ。

スキルがあって、ベンチャーを起こそうなどとは、誰も思っていない。ベンチャーなど、多重債務と自己破産の紙一重であり、いくら一攫千金だといわれても、親類縁者の鼻つまみになるリスクを、わざわざしょいこむ必要などないのだ。

講演はやはり日本人好みに、居眠りするか、メモに終始するかである。積極的に手を上げて質問したり、正面切って喧嘩を売るなど、絶対しない。粛々と、おきているように勤める、退屈なものになってしまった。

それ以来、なんとなく、興醒めしてしまっている。

アメリカやドイツでは、コミュニティの力として、会場費用と飲み物だけを頭数で割って、スキルアップや情報交流するは、なじんでいる。

日本でもそうした試みはあるが、ほとんどがセミナービジネスであったり、プレゼンであったり。しかもそこから得られるものは、粛々と授業を受けるだけの内容である。

そういうものなのだろうか。

できるだけ最前列で話を聞き、首を振る。にやける。うなづく。手を上げる。拍手をする。 本音で参加する。

電車賃を貰わない限り、こちらの持ち出しではないか。卒業してまで、黙ってきいてろ式の授業など、御免である。

だが、そういう姿勢自体が比較的マイノリティであったりする。カンファレンスが面白かったが、少し興醒めしているような気がする。

かつての東側共産主義圏の文化を軽蔑し、西側資本主義の一員であると思っていたが、そのどちらでもなかったことを、現代では思い知らされているのではないだろうか。

いや、むしろ利益だけを追求する方法論は、不安定なOSを更新続けてきた旗印メーカーで、限界を迎えたのではないか。彼らのポップに乗せたクリップを見て、本当に欲しいものが見つかるのだろうか。

左だろうが、右だろうか、イデオロギーなど、今やなんの役に立つのか。というか、そもそもイギリス議会の座席位置で、全てが判断されるという、社会認識自体、大丈夫か?

社会のために。そんなちょっと高潔な姿勢が、我々の日常を少しずつ快適にするのだとしたら、決して侮ってはいけない。

チェ・ゲバラを探してみたらlinuxのデザインに。ちなみにカストロ議長はない。w

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