鴉
犬の鳴き声を、狂言では「びょうおう」と表現していたと聞いたことがある。ワンワンではなく、BOWWOWでもなく、びょうおう。
しかし早口でいってみると、遠くの犬はそう聞こえなくもないような気がしてくる。擬態語の試行錯誤だったろう。
鴉という字がいい。からす、ではあるが、漢音で「あ」。(yā)
きっと、カァの母音を表現しているのではないか。(現代の中国語では、第一声のため「やー」と音階はそのまま。カラスの鳴き声なら、第三声が近いのかも)
実は擬態語であったと考えると面白い。画数が多いくせに、犬のことをワン、猫のことをニャンと書いたようなものである。
々の読み方
ずっと以前。日々とか、徐々に、というときに使う、「々」という字をどうやって入力するかという話になったことがあった。
日々と入力して、最初の日を消すということを、無意識にしていた。
ところが、この「々」。「どう」と入力して、変換すると出てくるのだ。つまり「同じ」という意味からである。
「おなじ」や「くりかえし」と入力しても、同様に変換候補になるらしいが、「どう」のほうが圧倒的に入力しやすい。
これも音写のイメージなのではないだろうか。
知らなかったのは「々」自体が、実は漢字ではなく、省略の記号であったということ。日々、とか書いているが実は繰り返し記号交じりということなのか。佐々木さんの立つ瀬がない。
大正の講談本をみると、「裏山しい」という表現もある。読みは「うらやましい」。当て字が過ぎるが、ライバルの出世を、ひと気のない裏山で何かに当り散らしているような風情か。
そう考えると、あながち適当がすぎるような気がしない。
冗句。これなども、名作ではないか。疾風怒濤より、ラフだが、ぴったりな感じ。
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