2015年2月16日月曜日

売れない占いの話

裏付け

 台北の故宮博物院で亀甲占いの遺跡を展示していた。

 古代の中国では、焼けた火箸を、亀の死骸からとった甲羅に突き刺し、割れ方をみて、吉凶を占った。村をどうすべきか、敵を攻めるべきか。全て占いで決めていたから、催事は正に「まつりごと」であったのだ。

 ただ解説が面白かった。

 火箸を刺す前から、亀の甲羅に削って、ヒビが入れたものがあり、結果を誘導するように仕掛けられていたものも見つかっているという。神をたぶらかそうとするのは、いつの世も人間の常なのか。

 言ってしまうと、裏があったのだ。


カードで読めるもの


 占いができるという後輩の実演を見せて貰った。

 彼曰く、語尾を濁し、相手の反応をみて言葉を補うらしい。

 「やりたいことがあって。。。」相手が深刻な表情なら「がんばっても、まだ今は準備を見直した方がいいかも」相手が興奮した表情なら「そろそろチャンスが来てるから、しっかり見極めて」。

 そして何よりも万能なのは、

「よく周りに理解されなかったり、誤解されることが多いね」

 というフレーズ。どういう場合でも、占いらしく聞こえるというのだ。なぜか?

「周りに誤解されてるとか、本当の自分はそうじゃないと思うから、占いでそうした欲求を代弁してほしいと思ってるんです」

 うわ、サラ金と手口同じやん。きったなぁ。

 というか、単なるリーディングと呼ばれる、詐欺の手口である。

 上岡龍太郎は占いが大嫌いだった。テレビ番組に登場した占い師にこう尋ねる。

「私があなたを殴るかどうか、分かるもんなんですか?」

 占い師は苦笑いして応える。テレビ番組で、まさかそんなことはしないでしょう。すると上岡龍太郎はポカリ。これはやりすぎ。気持ちは分かるけど。

 占いは前近代的で、蒙昧の文化だという人もいる。未来を予測しているという人もいる。

 人智を超えているのか、否か。その前に何となく、人が介在しているような気がしてしまう。


梅田の地下にもラファエロみたいな天使が書かれてたりするけど、
あんまり写実的な絵画表現だとなんか、ちゃうような気がしてしまう。

0 件のコメント:

コメントを投稿