『猿の惑星』でSF大作も収益につながるということに、味を占めたFOXにも、ちゃんと顔を立てるような成果となって、ほっとしたのだろう。
そこで『ジョーズ』で成功を納めた、同じ映画学校出身の男と会う。スピルバーグである。
二人は娯楽映画について、意気投合し、話が盛り上がった。
ジェームス・ボンドみたいな、世界をまたにかけた冒険ものって、どうよ?
アメリカ人の探検家。秘密の宝物。強大な敵。そんなコンセプトで、最終的に作品として仕上がった。
『レイダース 失われた聖櫃』である。
そう。インディ・ジョーンズは”ボンド”をヒントに生まれた。
方や日本。
ショーン・コネリー演じるボンドは、日本でも人気を博し、一人の漫画家を大いに創作意欲をかきたてた。
彼は考えた。週刊誌連載で、一話完結だが、ちゃんとエトンネ(驚き)があり、まさに”ボンド”のような世界をまたにかけた男。
主人公を泥棒に設定した段階で、名前は決定した。
ルパン三世である。
つまりインディ・ジョーンズとルパン三世は、同じ”ボンド”をルーツに持つ、兄弟なのだ。
では、ボンドはどうやって生まれたか。
チャンドラーの『長いお別れ』を読んだ、イアン・フレミングがめちゃくちゃほれ込んだ。
自分も主人公サム・スペードのような、気の効いた台詞をいう、ストイックな暗黒街の貴公子を描こうとした。
ところが、書いても書いても、ただのコピーでしかなく、しかも面白くなかった。
フレミングは考えた。殴られて、ぼろぼろになり、雨に濡れる、汗臭い男を書くの辞めたらどうか。
そうだ。ワイン通でタキシードが似合い、美女をはべらせるヒーローは?
こうして、イギリス史上もっとも高級なスーツを着こなし、殺人も免除されたスパイが誕生する。ジェームズ・ボンドだ。
では、サム・スペードはどうやって生まれたかというと。。。
というように、ルーツを探したり、そこから誕生したものを整理するのは楽しい。
ホームズとワトソンだって、実はポーの『モルグ街の殺人』に出てくる探偵オーギュスト・デュパンと、語り部の”私”そっくりである(この形式は後にルブランによって、アルセーヌ・ルパンによって継承される)
有名どころでも、ルーツは必ずある。スター・ウォーズと黒澤映画を云々はいくら語っても、足りないぐらい。
相互に影響しあっていると考える方が、実は自然なのだ。
日本の大衆文芸だって、負けてはいない。
眠狂四郎の話し方といい、ネーミングといい、ニヒリストの剣士『大菩薩峠』の机龍之介を元ネタに、柴田錬三郎が考えたもので。。。
ああ、溺れるように、読んでみたい。。。。
スパイで検索したら、出てきた画像。 こんな目だったスパイに情報は預けたくないかも。。。 |
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