どうやったって、どうせ暑い。
できれば、快適に過ごしたいが、どうせ熱帯夜で暑くて寝付けない。
そんなときに、あれこれと考えてはいいことはない。余計寝苦しいだけである。
もう、つげ義晴の漫画のように、うなされてしまうほうが、実は正しい夏の過ごし方なのではないだろうかと、ずっと思っている。
やだなぁ。
乱歩を読んで後悔する。猟奇的な、グロテスクな、気色悪い世界。
ラブクラフトを読んで後悔する。不条理に怖く、不可解な世界。
不愉快なものを摂取して、不快になる。不健全な道楽である。
サドを読んで、うなされたいと思ってめくってみるが、ちょっとがっかりする。彼の想定する退廃的な享楽が、現代の視点からすると、それほどではないのだ。ネタばれしてしまうと、現代のほうがはるかに、退廃文化に溢れているから、期待したほどのショックはない。
夢野久作の『ドグラ・マグラ』に期待するが、ごてごてしたバロック風な修飾に胸焼けして、飽きてしまう。発表当時は新鮮だったのだろうが、決して古典として呼ばれるものになり得るとは思えない。
目下、コリン・ウィルソンに挑戦中である。気持ち悪い、不快な世界。寝苦しさを堪能しよう。
アメリカでは美男美女のラブストーリーとしてヴァンパイアものなるジャンルが、確立されて久しいのだとか。 |
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