2015年8月6日木曜日

キーボードは退屈なのだ

キーボードでの入力を、省略したがる人が、何かというと、マウスで操作したがる。

全選択にするのにCtrlとAではなく、マウスでドラック。

検索するのにCtrlとFではなく、ファイルメニューから検索を選ぶ。

そっちのほうが面倒臭いし、肩が凝るのではないかといくらいっても、一旦マウスを使うようになってしまうと、なかなかシフトしようとは思わない。

結果として、マウス全面依存の操作になってしまい、 左手は結構ぼんやりしているという人を、しばしば見る。

macを書物に仕事にしていたときは、先輩が両手で画面を次々にさばいていたのを見て、それを模倣したくて、ショートカットを調べた。

キーボードがまるで、入力を阻害する、悪の権化のようにいう人がいるが、とんでもない。

もともと、キーボードはタイプライターの文字配列を模倣しており、そのタイプライターは英語の入力を適切に行うように工夫された設計なのだ。

つまり英語の中で、もっとも使われる文字列”the"(ポーの『黄金虫』で暗号を解読するのに、theは出てきたはず)が簡単に打てなくなっている。うっかりできなくなっているのだ。

うっかり打って、theを入れられないようにしているし、theを入力するのには、故意に操作しないといけなくなっている。

つまりは入力自体、わざと簡単に入力できなくなっているのだ。

間違えて打ちにくいようになっている。

だから、打ちにくくて当然だし、ローマ字入力ならなおさら、面倒臭くて当然なのだ。

しかし、だから悪いなどと、ものぐさなことをいってはいけない。そもそも煩わしい設計にしていると、わかってしまえば、それ以上は苦痛にはならない。

スマホばかりを触って、結局 入力ができるようになったつもりでも、フリック入力の速度はキーボードに及ぶべくもなく、スキルは低いまま。若い人でそういうのを見ると、なんかいたたまれない。

キーボードは打ちにくく、不便でいいのだ。

「結局、手で書いた方が早い」という人がいるが、
親指シフトユーザーは手書きより早く入力できる。

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