母の実家での話。
近くにある池では、兄が河童を見たという。それを笑っていると、母がいう。
河童は嘘だが、人魂は見たことがあるという。
霊が見えるという申告をする人もいるが、全く見えないという人もいる。自分は一度も見たことがない。
幽霊やおばけを信じているが、見たことはない。
見たことはないが、これだけの人が、一斉に大量に申し合わせたように虚構を語るのは難しいのではないか。自分は見る機会に恵まれていないが、むしろ幽霊がいたほうが、統計的にあり得るのではないかと思っている。
科学的ではないが、確率的にありえると思っていたい。
絶対にいるというのにも、感心できないが、絶対にいないというのにも賛同しかねる。
どちらかといえば、いてほしい。
一度だけ。
夜、暗い台所で、外から微かな物音に目をやると、屋外から光る物体が静かに移動するのに出くわしたことがある。
いくつかの光は、人魂のようなぼんやりした炎ではなく、はっきりと発光したもので、窓ガラス越しに隣家の駐車場で、人間の腰か膝の高さをゆっくりと移動しているのだ。
(宇宙人だ)
そう直感した。映画で確か、屋外から宇宙人が見ているというものがあった。さっと、全身の表面が寒くなる。宇宙人に襲われたら、どうなるのだろうか。どうやって抵抗したらいいのか。いや、今は向こうに見つかっているのか。
じっと引きをひそめる。
発光体はゆらゆらと重そうに移動し、不意に止まる。
そして、次の瞬間である。
バイクのスタンドが起こされる音と、鍵束を引き抜く音がして、発光体が消える。隣家の住人が足音を消し、それでも鍵束を少し鳴らしながら、立ち去っていった。
近隣に配慮したバイカーだったのか。
ほっとした反面、ちょっとがっかりした。
テレビで話しているのを、聞いたことがある。
宇宙人を見たという人の話。
UFOの窓が開いていて、確かに宇宙人が顔を出していたと。なんと、その宇宙人は青い顔をして、口を開き、背後の母親と思しき宇宙人に背中をさすってもらっていたという。
いいなぁ。そういう宇宙人なら、見てみたい。
ストーンサークルの写真を見つけると、 手前に何やら不思議な生き物らしいが! |
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