Googleの話。
法人向けサービスgoogle appsの日本公開に合わせて、無料のカンファレンスに参加した時のことを覚えている。
Googleはたくさんの情報をもっているが、gmailアカウントを介して、個人の情報を筒抜けに取得するのではないかという質問があった。
主催者側のGoogleの広報担当者は苦笑いをにじませながら、マイクをもってこう言った。
「情報は大きく三つに分断して、アリゾナのコンテナと各地に保存しています。それを統合しないと、個人情報として価値がない状態です。地球上で、最高経営責任者と副社長2名だけが、それらを統合するキーをもっています。犯罪捜査の要請があった場合、その内の一人が情報を司法機関に提供します」
はっきりいってGoogleの個人情報の管理は、日本の行政機構よりはるかに安定している。(中国の人権運動家のメールを不正アクセスしたのが、北京市近郊のサーバーを経由したという事件があった時は、Googleは中共政府と戦った)
だからといって、複雑なパスワードを求めることもなく、簡単に操作ができて、フリーメールとして使える状態である。
このgmailアカウントを、無料で取得していれば、google docsというサービスも操作できる。
ワードやエクセルがweb環境で使える。(こうしたサービスをクラウドコンピューティングというが、命名したのはGoogle)。
web環境でワードやエクセルが使えるとはどういうことか。
文書の保存を端末に依存しなくていい。osに依存しないということだ。つまり、出先のmacbookで入力したことを、自宅のwindows8で推敲し、会社で出力することができるのだ。
ましてやオフライン環境でも使えるから、ワードやエクセルを購入しないで、そっくりなものを使うことができる。
Microsoftの製品を買わないと、仕事で使えないとすすめる人がいるが、関数を使いこなさないといけない職場は稀であるし、ワードの複雑な操作に習熟しても、仕事を覚えるうちに、ほとんど使わないことが多いことに、がっかりさせられるだろう。
つまりMicrosoftのプロモーション以外に、Microsoft officeが不可欠になる場面というのは、ほとんどない。
Microsoft officeを二万円や三万円で買うために、アルバイトをもう数日して貯金するぐらいなら、さっさとフリーでアカウントをとるか、ダウンロードして、バイトの時間分触った方が、確実にスキルはあがる。
Googleはなぜ、自社にそうした無料のサービスを提供して、世界中から有志がテンプレートを作ってくれているという状況を、宣伝しないのだろうか。
なんのことはない。広告をうって、それで儲けようとしていないのだ。むしろappsやadwordsの収入で儲かっているのだ。
なぜGoogle docsを使わないのか。他人に対して、ふと思うことがある。
自分のようにだらしなく、失せ物が多い人間にとって、アリゾナのコンテナにあるサーバーに、分解された状態で保管してくれる、docsのサービスは、もう生命線といえる。業務上のセキュリティは念のため、遠慮すべきかもしれないが、個人で使う分に
は何の不都合もない。
年金が紛失しかけたり、教材の会社が情報漏洩したりと、何かとややこしいことが起こっているが、googleの周りではサーバーの不調情報以外に、聞いたことがない。(隠蔽しようとしているのなら、もう妄想なみに規模が壮大すぎ)
だから、安心して、活用し、料金を請求してこない以上は使い倒して正解なのだ。
使わない人に、決して薦めたりしない。薦めたところで、無料だから何となく不安という理由で、どうせ使わないことが多い。
ましてや、不安がる人には、気持ちよく不安がってもらえるように、こういう。
「やっぱり多少値段は高いけど、Microsoft officeを買わないと。どこの会社でも使っているし、購入しないと使えるようにならないからね」
深刻に、大げさに、難しい顔をして言う。おちょくられたことに気づかず、怯える人は嬉々として不安がる。お金がない人は、心ゆくまで惨めな気分に浸る。
キーボードが操作できて、web環境があれば、もう手に入ったも同然、とは教えない。説明しても、不安がられることが多いからだ。
そこまでカウンセリングみたいにして、説明するのは、疲れる。冷たい言い方だが、不安な感情を最優先したい人にかけられる言葉はない。
だから、情報を集めて、無料でも使ってみようとする人には教えたい。
God save google.
chromeosを使うほどではないが、Google信者の末席としての本音である。
Microsoft officeがないとスキルアップできないなんて、 モンブランかパーカーがないと文字が書けないといっているようなものだ。 |
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