著作権を侵害するとか、結構議論された割に、今や下火である。もう電子書籍が普及したからだろうか。
先日、電化製品をみていると、見開きにした本をスキャンしてくれるスキャナーがあった。見開きで数秒でデータにしてくれる。しかし本をスキャンしようとしたら、相当な時間がかかるだろう。
やはり両面スキャンにかなわない。
8年ぐらい前。断裁機と両面スキャナーを買って、自炊をはじめた時に嗤われた。
「今はページをさっとめくるだけで読み取ってくれるスキャナーがある。それが出回ると断裁なんて誰もしなくなる」
その説明を聞いてみると、国会図書館の貴重書をそうしてデータ化するのだというニュースがあったらしい。
素晴らしい技術だが、絶対市販されるレベルにはならないだろうと思っていた。そして未だに商品化には至っていない。断裁しない見開きスキャナーは上記のように、数秒かかる。
しばしば新しい技術に、目を見張ることがある。
しかしいいものが必ずしも、成功する訳ではない。あっさり市場から消えていったベータは、VHSより格段にいい画像を残していたのではないか。
メーカーがいいといっても、ほとんど信用しない。カッコイイことを売りにしていると、まず除外する。
本当にいいのかどうかを熟慮するのが楽しい。
両面スキャンをするとどうなるのか。蔵書が一つの電子ブックで大量に持ち歩ける。しかも安く買った本を、大事に所蔵しておくより、はるかに取り出しやすい状態で簡単に読み始めることができる。
そうしたことを悩み抜いていくことがいい。そうして失敗したら、心底納得がいく。誰のせいでもなく、自分の悩みが浅はかであったことを痛感し、悔しくてたまらない。たまらないから、いい。
また蔵書をどんどん電子化しようと焦って、岩波の金枝篇をバラしたことが悔やまれてならない(索引が充実しているが、電子書籍だとさっぱり使えない)。
そして今や、電子ブックリーダーが売れていないのだとか。
理由は簡単。
スマホでも電子書籍を読むアプリが、普及しているためである。
スマホとは別に本を読むために、あらたに一台買う必要はないのだ。なるほど。
自分の浅はかさを思う。
国内で販売されるのが待ちきれずに、Kindleを買ってしまった。それもipodを真似て、kindle touchという、日本では流通していないものを。
切歯扼腕。ほぞを噛む、と思いきや、そうでもない。
多少国内販売の方が安いが、そんなに大差はない。そんなことを悔しがるより、本を読んでいる方が楽しい。そういう意味で、心底悔しがれないのは、残念でもある。
こんなに頑丈な上製本は国内でみたことがない。 英語圏は全てペーパーバックの文化だと思ったら大間違いなのかもしれない。 |
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