2014年11月22日土曜日

おもろいポーズ

可愛くない理由


 奈良の東大寺にいったときのこと。

 若いお母さんが、娘に呼びかけて、カメラを向ける。

 小学校低学年の娘さんはとっさに、彼女なり、イケてるファイティング・ポーズで、メンチをきる。しかし、お母さんはシャッターを押してから、がっかりして、低いトーンでつぶやく。

「全然可愛くないねんなぁ」

  娘さん、苦笑い。そっちのオーダーでしたかと。

  実家にあるアルバムの中に、兄と二人で、父の職場のクリスマス会に出た時の写真がある。(会場にあった、バターケーキがげろまずかったのを、思い出した!)

 兄は気をつけをしてたっているのに、自分は片足を上げて、そこに下から手をくぐらせてピースをしている。

 実は覚えがある。

 写真撮るよ、と声をかけられて、せっかくとるのに、兄が普通に気をつけしているのに驚いた。クリスマスパーティの楽しい印象を記録するのに、ガキが棒立ちで伝わるかよ、考えろよ。ここはなんか、おもろいポーズだろう。あ、待って、逆立ち? でんぐり返り? あ、もう撮るの? えっと、とりあえず片足上げてみました。。。


おかわり

それは今いいから、と時々注意されることがある。

 おっと、やっぱり、そうか。確か、シャッターを押した後、父も軽く笑っていたような気がする。満足したか? 納得したか? とかいっていたような気がする。

 いやいや、俺はむしろサービスして、臨場感演出しただけだし。おもろいポーズをしたいなら、もっとしっかり考えてたし!

 いや、今はよかったのだ。そこまでは今いらない。というか、おもろいポーズは今はいらない。

 なんとなく、オーダー間違い。彼女のファイティング・ポーズに一票である。

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