2016年1月5日火曜日

UFOは存在する説

八十年代のUFO番組を、ケーブルテレビで放送していたので、思い出した。
アメリカの天文学者、作家のカール・セーガンの著作を読んだ時のこと。

その中で、紹介している一つが、天文学者の見解として「UFOは存在する」という主張であった。
なぜなら、「Unidentified Flying Object」(アンアイデンティファイド・フライング・オブジェクト)=確認されていない飛行物体のことを、存在しないというのは、馬鹿げているからだ。

それが宇宙人の乗り物であるか、どうかは別として、未確認の段階で、その飛行する物体はUFOなのだ。

なぁんだ、と思った。

しかし、彼は明確に主張している。

逆に、天文学からいって、知的生命体が地球にしかいないということの方が、天動説を頑なに信じるぐらい無知なことである。

ただ、現在、科学者を納得させるだけの証拠が出ていないだけだと。

彼はほかにもオカルトや、胡散臭い科学について、いたって理性的に反論、説明してくれる。

特に面白かったのは、八十年まで核戦争による人類の危機を警告してくれていた宇宙人が、我々より進んだ文明を持っていたのなら、なぜ九十年代の環境破壊を予見していなかったのだと。
まさに目撃証言者と同等の、現状認識や知識しかなかったのだ。そんな宇宙人が本当に、地球人より進んだ文明を持っているとは思えないと。

面白い。腑に落ちる。

宇宙人がいると確信しているから、いい加減な納得をして、うやむやにしたくないというのが、彼の考え方だ。(SFファンで、彼自身の小説『コンタクト』は映画化されている。)

健全な反証にも耐えうる先にある真実。それを結構、ユーモアを交えて(ここが一番大事)語ってくれる。

建国の父たちや、我が国に啓蒙思想を持ち込もうとしていた人たちは、野蛮な入植者の末裔ではなく、彼のような、近代的理性の持ち主だったのではないか。

いいことが書いてあるからと、本を読む人がいるが、飽きないのだろうかといつも心配になる。

いい言葉を文字にしようなんて、論語の時代から何一つ変わっていないし、目新しいテクノロジーではない。

それより反証する方法、着眼点、思考のアイデアを身につけ、より深く理解できることの面白さを、提案してくれる本の方がはるかに面白いのではないか。
 『エイリアン』の翌年に『E.T』(80)が公開された。
宇宙人を怖がらせないための戦略なのでは、などと聞いたことがある。
今はそれどころではない。地球人同士がますますやばい。

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