2015年12月13日日曜日

お得情報の氾濫

電化製品の量販店に変わった広告があった。
 
50人に一人、レシートにアタリが出たら、無料というものであった。

「50人に一人、タダ」

衝撃的な話題として知られた。

しかし、あとでわかった。

店側が還元してくれる、50人に一人分の利益とは何か?

50分の一。つまり百分の二である=2%。

わお。2%割引である。たったの2%。

それが種明かしである。

「2%割引、開催中」

だったら、ナメてんのか、だが、

「50人に一人無料」

のほうがインパクトはある。

ましてや、今ほどパチンコ屋のテレビCMに、自主規制がなかった時代である(驚いたことに、経済不況でも、遊興費は成人に必須だから不況知らず、などというヨタを、パチンコ産業では主張していた)。

ギャンブル性はあるが、楽しい店舗だとイメージを作っていた。(店員の商品知識や検索能力はぼんやりで、値引き交渉に長けているだけだったが)。

要は見せ方なのだ。

ところが、この見せ方技術が発達することは、ユーザーに必ずしも、メリットがあるとはいえない。スマートフォンや、ケーブルテレビの契約内容を変更しようと思えば、ひと仕事である。

本当にお得なのか、欲しいサービスなのか。検索しようとしても、落ち目のタレントを使ったプロモーション記事や、結構ぼんやりしたブログばっかりだったりする。

正確な情報には、程遠い結果になってしまう。

情報はたくさんあるが、結局、扇動されるばかりである。

大して変わらないスペックでも、大げさに宣伝。OSも不安定な状態でリリースしているのに、お調子者がレビュー記事を書いてアクセスを漁ろうとする。

本当に、それは必要な情報なのだろうか。

至誠天に通ず。孟子にそう書かれている。誠意こそ、人智を超えて、恒久的な信頼を獲得するにいたるというののだ。

近代以前の大陸文化だとか、大陸の文献をありがたがる島国根性だとか、無神経なことを言ってはいけない。

Honesty is the best policy(正直は最上の策)といったのは、シェークスピアでも、ディケンズでもない。アメリカ建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンである。

本当はみんな不便を感じているのかもしれない。

検索窓にキーワードを入力さえすれば、本当に欲しい情報に、たどり着けるはずだったのに、コアな話題になればなるほど、情報がぼんやりしてしまうのだ。

検索が最短なようで、実は回り道にも直結している。

大量の情報を受け取れることができるようになったが、本質的な結論にたどり着ける可能性を高めただけで、決して近道ができたわけではない。

いつもそんな気がする。

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