そのセカンドシーズンが始まっている。
前シーズンが、ジミーの歌う鼻歌、スモーク・オン・ザ・ウォーターでカッコよく終わったが、その後からどうなるのか。
燃え尽きたように、プールで浮かび、しょぼい詐欺まがいをして、飲み代を踏み倒すことでぼんやり過ごす。
本編にも登場した、デイ・トレーダーのケンをひっかけて、高級な酒を飲むぐらい。
一瞬、楽しいが、それで埋まらない気持ち。
そして、ブールサイドの細い足のお姉さんが、ブランド物を着ただけのデブなオヤジと連れ立っているのを物欲しそうに眺める。
そうだ。自称ケビン・コスナーこと、我らがジミーは決意する。やっぱり稼いで、旨い汁吸いたいと。
第2話の配信も始まっている。何をしていても、退屈そうなマイクも健在で、トゥコの影もちらつく。
色々トラブルがあるが、それなりに機転を利かして、やりくりしていく。全く爽快感から程遠いドラマである。 エミー賞にノミネートされたが、逃した。華々しく評価されないところが、またいいではないか。
若く、美しいヒロインや、端正な顔立ちの男の子は出てこない。
しかめっ面したおっさんと、苦い顔したちょっと前のヒロインである。
兄とのわだかまりが解決していないときに、マイクから声がかかる。
「倫理感はゆるめか? 頼みたいことがある」
老人ホームの集団訴訟に備えるより、小悪党をなだめて、警官を言いくるめるときのほうが、皮肉も生き生きしている。
S G was hire(ソウルグッドマン参上)
多分、キムにも振られるんだろうな。最後は失望されて、別れることになるんだろうな。見ていて、何となく感じてしまう。
そのあと、厄介なクライアントのせいで、ガス・フリングに命を狙われそうになったり、DEAに捕まりそうになったり、逃亡専門業者に、リセットを頼むことになるんだろうな。
ただ、そうはいっても、複合施設のシナモンロール店の店長として、汗水垂らして生活していく未来はあるのだ。ハイゼンベルクと恐れられ、最後は銃弾に倒れるようなことはないのだ。
そこまでの長く、華やかさにかける日常。
やはり愛さずにはいられない。