証明された不可能説
2009年6月28日というから、10年以上も前のことになる。今は亡きホーキング博士が、パーティーを開いた。その名も「welcome time travelers」。
パーティー終了後、彼は世界中の科学者に招待状を出したのだ。タイムマシーン完成の暁には、ぜひ出席してほしいと。
これで完全に、タイムマシーンが作られないことが証明された。
「タイムマシーンが科学的に成り立つのか」「理論上は可能なのか」
そういう面倒臭い議論を最終的にすっ飛ばして、証明しようと試みたのだ。
いつの時代か、完成したのであれば、パーティに出席していただろう。
招待状を見ることができなかったとしても、こうして語り草になり、Wikipediaにも載っているのに、それらを無視するのは、逆に困難だろう。
タイムマシーンに乗りたい
それでもなお、タイムマシーンは可能だと主張する人がいる。
それがどこまで本当かなど、実はどうでもいい。
今、ありえもしないことを想像し、考えを巡らせることができるからだ。単純にロマンがあるとか、楽しいとか享楽的な意味ではない。
反対に、現実にあり得ないことを想像しないとする。
かつて馬が移動手段であった時代、人間は時速60キロ以上に達すると、顔面に風が当たりすぎて呼気が出せず失神すると考えられていた。
鉄の塊が飛ぶわけがないし、三時間で東京と大阪を移動できるはずがない。それが当時の”リアル”だったのだ。
ところが現実は違う。60キロ以上で移動することは可能だし、失神するなどといえば、頭をどこかにぶつけたのか疑われるだろう。
それでいい。ヴェルヌが言ったように、我々は想像したことしか実現できないのだ。逆に想像しなければ、何も実現せず、60キロを超えたスピードという現実から逃げ回ることになるのだ。
タイムマシーンは否定された。
「あのホーキング博士ですら、こんな誤解をしていたんですよ」
そうシニカルに笑われる日が来るのではないか。そういう想像が、新たな現実を応援していくのではないだろうか。
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