2020年9月13日日曜日

Welcome time travelers

証明された不可能説

2009年6月28日というから、10年以上も前のことになる。

今は亡きホーキング博士が、パーティーを開いた。その名も「welcome time travelers」。

パーティー終了後、彼は世界中の科学者に招待状を出したのだ。タイムマシーン完成の暁には、ぜひ出席してほしいと。

 これで完全に、タイムマシーンが作られないことが証明された。

 「タイムマシーンが科学的に成り立つのか」「理論上は可能なのか」

そういう面倒臭い議論を最終的にすっ飛ばして、証明しようと試みたのだ。

いつの時代か、完成したのであれば、パーティに出席していただろう。

招待状を見ることができなかったとしても、こうして語り草になり、Wikipediaにも載っているのに、それらを無視するのは、逆に困難だろう。

タイムマシーンに乗りたい

それでもなお、タイムマシーンは可能だと主張する人がいる。

それがどこまで本当かなど、実はどうでもいい。

今、ありえもしないことを想像し、考えを巡らせることができるからだ。単純にロマンがあるとか、楽しいとか享楽的な意味ではない。

反対に、現実にあり得ないことを想像しないとする。

かつて馬が移動手段であった時代、人間は時速60キロ以上に達すると、顔面に風が当たりすぎて呼気が出せず失神すると考えられていた。

鉄の塊が飛ぶわけがないし、三時間で東京と大阪を移動できるはずがない。それが当時の”リアル”だったのだ。

ところが現実は違う。60キロ以上で移動することは可能だし、失神するなどといえば、頭をどこかにぶつけたのか疑われるだろう。

それでいい。ヴェルヌが言ったように、我々は想像したことしか実現できないのだ。逆に想像しなければ、何も実現せず、60キロを超えたスピードという現実から逃げ回ることになるのだ。

タイムマシーンは否定された。

「あのホーキング博士ですら、こんな誤解をしていたんですよ」

そうシニカルに笑われる日が来るのではないか。そういう想像が、新たな現実を応援していくのではないだろうか。



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