ヘヴィ・メタルの音楽をよく聞くが、本当は好きではない。
ミニスカートの女の子が腰を振るような、ポップソングだけを聞いていられたら、どれだけ気が楽だろうと思う。
その反面、いざポップソングを聞いているとうんざりする。
メタルをかけると、楽しくなってしまう。集中力が高まり、高揚する。
老婆の娼婦に金を払い続ける男。そういう歌詞の曲もある。聞きながら、自分がメタルというジャンルのぬかるみにはまり込んでいることに気がついた。
まさに老婆の娼婦に払うとは、こんな気分ではないかと、ぞっとした。
無論、悪趣味なことを誇るような、偽悪な楽しみ方はいただけない。
本当はメタルが嫌いだし、メタルがない人生がいかに明るく充実したものになるのか、想像すると、羨ましくて仕方がない。
だからメタルのファッションをしている人とは、全然会話が弾まないだろう。
好きでもないメタルに、捕らわれた人間と、メタルが大好きな人の違いである。
できたらメタルは聞きたくない。グロテスクなパフォーマンスに、不気味な音律。
悪趣味だし、不健全、不愉快、不衛生である。そう分かっているのに、聞かずにはおられない。ああ、寝苦しい。
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