2016年6月16日木曜日

若い犯罪者に腹が立つ

三面記事を目にしてしまう。

交際相手の女性を殺害した加害者が死刑を宣告されたとかなんとか。

正義感でもなんでもなく、心底イラっとする。

若く、努力すればいくらでも、道が開けただろうに、もっとたくさんいろんなことができただろうに。何か世の中を動かすことができただろうに。

そういうことを思うと、短絡的で自らの可能性を,むざむざ踏みつけにしている自傷行為の甘さに腹が立つ。

「一億円宝くじで当たったから、一万円で尻を拭いてみた」

そんな人間がいたら、誰だって怒るだろう。無神経で、低俗で、軽薄だ。

交際相手に振られることはショックだろう。しかしその苦痛も、生きている証拠ではないか。らくらくと、女性にちやほや愛されて、生きていけるのが、充実した生だとでもいうのか。

その甘ったるさにも腹が立つ。

惨めさの真ん中で、惨めになって生き抜いていくのも生ではないか。

苦しみに囲まれて、逃げ出しようがなく、苦しみぬくのも生ではないか。

安穏と、膝の上に抱かれて、ぬくぬくと生きながらえることが生だとでもいうのか。

惨めなことも生ではないか。

その覚悟のなさに、思い返して、やっぱり腹が立つ。

混んだ電車の中で、平然と足を組んでいる若者に腹が立つのとは、桁違いに腹が立つ。

おじいになっていく証拠だろうか。

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