2017年10月17日火曜日

ウルトラマン症候群とかドラえもんとか

 ドラえもんがテレビで問題になっていたことを覚えている。

 ジャイアンとスネ夫にいじめられたのび太が、泣きながら帰ってくる。泣き疲れてドラえもんが、何か道具を取り出す。のび太は道具をもってジャイアンに復讐する。良かった良かった。

 幼心に復讐に酔えた。シェークスピアのいうところの、正義の中に生える雑草ではあったが、貪るように見たり、コロコロコミックを読んだ。

 当然、これが問題になった。

 子供がドラえもんに依存するのではないかと。何かトラブルが起こったら、自分で努力して、解決しようとせずに、泣きついて便利なものを取り出してもらうようになるのではないか。

 しかし当事者の子どもであったが、ドラえもんを見ながら、ああ、そうすればいいのかと思ったことは一度もない。

 子供はそれほどバカじゃない。先輩ライダーたちの正規の特訓を受けずに、ライダーキックを試みるなんて、ただの浮かれ者ではないかと。カメハメから密かに習ったから、四十八の殺人技ができるのだ。

 衆議院選挙の演説について、残念な話題を聴いた。

 ウルトラマン症候群。

 危機的な状況になると、万能のヒーローが登場してきて、全てを解決くれるという心理のことだそうだ。

 結構、しんどいネーミングだが、社会問題が深刻になるまでぼんやりしているという心理は言い得ているのではないか。

 危機的な状態になっても、ウルトラマンが闘って、何か一層深刻になっても、三分程度で解決してくれる。

 そうした依存が有権者の中にあるのではないか。

 そんなことを紹介していた。

 待て。

 それはウルトラマンなのだろうか。かつて八十年代に問題だと言われた、ドラえもん症候群と同じではないのか。

 一つずつ地道に解決すると公約する政党はどこにもない。問題を列挙するか、針小棒大な手柄話である。

 それに加えて、我々有権者も、社会問題は政治家の人徳に起因するとばかり、古代からの権力者批判をしているだけ。

 本当にアメリカ大統領の万能感をバカにできるのか? その権利を持っているとでも?

 もしウルトラマンやドラえもんを期待していたのと、同じ程度の心理で投票しようと言うのなら、それは大人ではない。

 十七歳以下に対して、恥ずかしいことではないか。 

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